悪質な不用品回収業者の利用を避けるには、第一にきちんと許可を取得している業者を選ぶ必要があります。
とはいえ、どの許可を取得している業者なら利用しても良いのか、その道のプロでもない限りわかりませんよね。
そこでこの記事では、不用品回収業を営むにあたって必要な許可について詳しく解説していきます。
目次
基本的に不用品回収では古物商許可があればOK
不用品回収業を営むにあたって最低限必要な許可が「古物商許可」です。
「古物商許可」とは、リユース・リサイクルできる不用品の買い取りや買い取った不用品の販売、リサイクルショップなどに卸す際に必要となる許可のことで、各都道府県の公安委員会の許可を得る必要があります。
この許可を取得している業者は、主に以下の項目ができるようになります。
- 不用品を買い取って売る
- 不用品を買い取って修理して売る
- 不用品を買い取り部分的に売る
- 不用品を買い取らず、売った後に手数料をもらう
- 不用品を別の物と交換する
- 不用品を買い取ってレンタルする
- 不用品を買い取って国外に輸出して売る
ほとんどの不用品回収業者はリサイクルショップに近い業態になっており、不用品を「廃棄物」としてではなく、リユース・リサイクルなどの二次利用をするために引き取っています。
廃棄物として扱う場合に必要な許可
先ほどの「古物商許可」では、リユース・リサイクルなどの二次利用はできても、不用品を「廃棄物」として回収することはできません。
「廃棄物」つまりゴミとして不用品を回収する際は、状況に応じて以下の許可が必要になります。
■産業廃棄物収集運搬業許可
→法人から廃棄物(ゴミ)を回収したい場合に必要な許可
■一般廃棄物収集運搬業許可
→一般家庭から廃棄物(ゴミ)を回収する場合に必要な許可
「産業廃棄物運搬業許可」が回収できる廃棄物は、名前の通り産業廃棄物、つまり法人から出るゴミの回収をすることができます。以下は回収できる産業廃棄物例です。
- 自動車整備工場から出る大量の使用済みタイヤ
- 木材加工工場から出る大量の木くず
- 医療機関から出る作業用の手袋や不要なレントゲンフィルム
一方、「一般廃棄物収集運搬業許可」は、一般家庭から出る廃棄物(ゴミ)の回収が可能となります。
しかし、「一般廃棄物収集運搬業許可」は市区町村ごとに取得する必要がありながら、新規業者の登録を受け付けていない自治体がほとんどです。極めて取得しづらいものとなっていることから、大半の不用品回収業者はこれを有していません。
無許可の不用品回収業者を利用するリスクについて
実際に無許可の不用品回収業者を利用する際に発生するリスクは、主に以下の通りです。
- 高額な支払いを請求される
- 回収された不用品が不法投棄される
特に、回収された不用品が不法投棄されていた場合、最悪業者だけでなく利用したユーザーにまで責任が及ぶことがあります。場合によっては罪に問われる可能性も否定できません。
実際、国民生活センターへの悪質不用品回収業者の相談件数は、2015年から2019年までで1350件程度増加しています。あくまでも国民生活センターへの相談件数に過ぎず、実際に泣き寝入りしているケースはさらに多いでしょう。
こうしたトラブルの多くが、無許可業者を利用したために起きたことなので、次の章を参考に必要な許可を取得しているか否かを確認しましょう。
不用品回収業者の許可取得の有無はどこで分かる?
利用予定の不用品回収業者が許可を取得しているかどうかは、その業者の公式サイトから確認することができます。
たとえば「不用品回収ルート」では、公式サイトのページ下部に「古物商許可」の許可番号が記載されています。
画像引用元:https://www.pvjapan.org/
また、こちらの不用品回収業者「KADODE」では、公式サイトの会社情報が記載されたページに「古物商許可」の許可番号が記載されています。
画像引用元:https://kado-de.jp/company/
このように、優良な不用品回収業者であれば、公式サイト内のどこかに「古物商許可」の許可番号が記載されているので確認することができます。
とはいえ、「古物商許可」の許可番号を偽って記載している業者も存在するので、やはりSNSや口コミサイトなどユーザーのリアルな声を見て、業者の良し悪しを判断することをおすすめします。
まとめ
不用品回収業者は最低限「古物商許可」を取得している必要があります。なので、これから利用しようと考えている方は、その業者の公式サイトに「古物商許可」の許可番号の記載があるか確認しましょう。
ですが、許可を取得しているからといって良い業者とは限りません。
万が一トラブルが起きた時を見越して、ボイスレコーダーで会話を録音、作業を始める前に見積もりを書面や文面で残してもらうなど、あらかじめ対策はしておきましょう。