2012年に再生可能エネルギーの普及を目的として固定価格買取制度(改正FIT法)が制定され、もうすぐ10年を迎えます。自家発電と売電を目的に、ご自宅に太陽光パネル(ソーラーパネル)を設置された方は、そろそろ故障やメンテナンスを機に、処分や買い替えなどの見直しを始めているのではないでしょうか。
太陽光パネルの寿命は一般に20年ほどで、最大で30年と言われているため、2040年には大量に廃棄されることが見込まれており、いち早く太陽光パネルを設置された方にとっては、撤去して処分することも視野に入れていることでしょう。
ここでは不要になった太陽光パネルの基本的な処分方法について、廃棄や売却などの方法と、その費用について、知っておきたい5つのことをポイントを押さえながら紹介します。
目次
太陽光発電の構造と種類
まず最初に太陽光発電の仕組みと構造から再確認してみましょう。
太陽光発電を導入すると決めて設置された時にすでに理解されている内容だと思いますが、廃棄するときにまた必要になりますので、改めて用語をおさらいします。太陽光発電一式を廃棄する場合、これらの分類がわかっていると依頼交渉などもスムーズに行いやすくなるため処分が楽に進められます。
①太陽光パネル(ソーラーパネル)
屋根に設置したガラスのパネル状になった太陽電池です。太陽電池モジュールと呼ばれることもあります。
太陽光パネルの主な材料は半導体ですが、鉛やセレンやカドミウムなどの有害物質が含まれているものもあり、産業廃棄物に指定されています。そのため、廃棄方法は厳しく決められており、処分するときに一番問題になる部分です。具体的な処分方法については後述します。
②接続箱・集電箱
接続箱・集電箱は、発電した直流電力を一つにまとめてパワーコンディショナーに供給する装置です。
③パワーコンディショナー(PCS)
直流の電気を交流に変換する機器です。パワーコンディショナーは太陽光パネルで集めたエネルギーを電力へ変換するためのインバーターで、作った電気を電力会社に送電したり、家庭で使えるように直流の電気に変換します。
④蓄電池・分電盤
蓄電池は電気エネルギーを蓄え、必要に応じて取り出すことができる電気機器です。分電盤は名前の通り、電気を集めて分ける役割の機器です。パワーコンディショナーで直流から交流に変換された電気は、分電盤から各部屋のコンセントに送られます。
⑤架台・基礎
太陽光パネルを屋根に固定設置するための架台や基礎です。置き型太陽パネルでは必ず使われていますが、一体型の太陽パネルでは使われていない場合もあります。
これらの太陽光発電のシステムは、設置も撤去も基本的に電気工事士の有資格者以外は行うことができません。
【ポイント】
・太陽光パネルは産業廃棄物
・太陽光パネル以外にも多くの機器がある
・設置・撤去は電気工事士しか行えない
太陽光パネルは処分する人がごみの責任者になる
太陽光パネルを撤去処分するケースとは、どのような状態でしょうか?
撤去処分する理由として考えられるのは、以下の3つのようなケースと想定されますが、誰がごみを処分する責任者なのかで、ごみの扱いが変わります。
①故障や不具合による買い替え
太陽光パネルは強い紫外線と雨風にさらされ、どうしても経年劣化は避けられません。電気機器は設置から10年過ぎたくらいから、何かしらの不具合が起こることがあります。また今後技術が進化して、より発電効率の高い太陽光パネルに入れ替えることもあるかもしれません。
太陽光パネルを外して、新しいものに交換する場合は、取扱メーカーや施工修理業者などに修理を依頼するはずなので、不要になった太陽光パネルの撤去と処分は請け負った業者が行うことになります。
この業者がごみを出す人となるので、太陽光パネルをはじめ、接続箱、集電箱、パワーコンディショナーなどすべてが「産業廃棄物」として扱われます。
②住宅の建て替えや売却による解体
住宅の建て替えや、売却による解体時には、まず最初に太陽光パネルやエアコンの室外機などの電気系統の機器を外してから作業が行われます。
この場合も、建築会社や工務店などの施工業者に建て替えや解体を依頼しているはずなので、その一環として不要になった太陽光パネルの撤去と処分は請け負った業者が行います。
この施工業者がごみを出す人となるので、太陽光パネルをはじめ、接続箱、集電箱、パワーコンディショナーなどすべてが「産業廃棄物」として扱われます。
③自然災害等による破損や落下
台風や豪雨、地震などの災害で、太陽光パネルが壊れてしまい、泣く泣く処分する場合があります。新しく買い替えて設置しなおす場合は、施工業者に撤去と設置を依頼するため、前述した通りでよいのですが、太陽光パネルが壊れてしまい、もう買い替えはしないという場合もあります。
このような場合は、どこへ依頼するのが良いでしょうか?
知人に電気工事士の資格を持った方がいる場合は、撤去だけ依頼したり、落下してしまった場合は、屋根から下ろす作業はないので、自分で撤去、処分することもあるかもしれません。
このように個人が処分することになったときには「産業廃棄物」ではなく「一般ごみ」として扱われます。廃棄方法は自治体によって異なりますので、お住いの自治体に問い合わせが必要ですが、太陽光パネル以外のすべての機器は「一般ごみ」として、「不燃ごみ」または「粗大ごみ」で処分できます。どちらの扱いになるかは自治体に確認して下さい。
しかし太陽光パネルだけは扱いが異なり、粗大ごみとして回収してもらうことができません。別途、専門業者や不用品回収業者などに回収処分の依頼をする必要があります。
【ポイント】
・施工業者に依頼していれば「産業廃棄物」として処理される
・個人で処分する場合は「一般ごみ」の扱いになる
・太陽光パネルだけは自治体で回収されないので業者に依頼する
自分で撤去しなくてはいけない場合の注意
太陽光発電はクリーンなエネルギーである一方、正しく取り扱わなければ環境問題を引き起こす可能性もある諸刃の刃でもあります。
太陽光パネルの撤去は電気工事士に作業を依頼することが基本ですが、万が一自然災害等によって、自分で撤去処分しなくてはいけなくなった場合、太陽光パネルには有害物質が含まれているほか、破損したガラスによるケガや、浸水したパネルは感電の恐れもあり、安易に作業すると非常に危険です。
ガラスが破損した太陽光パネルは雨水等の水濡れによって含有物質が流出することや、感電の危険性が高まる恐れがあるため、ブルーシート等の遮光用シートで覆う等の水濡れ防止策をとることが必要です。
やむを得ず自分の手でパネルを移動させなければならない場合もあるかもしれません。その際にはゴム長靴、ゴム手袋、絶縁処理された工具を使用し、細心の注意を払って取り扱う必要があります。
適正な処理をするために、その後の運搬と廃棄は専門業者に依頼しましょう。
専門業者は一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)が破損した太陽光パネルを適正処分できる企業一覧をサイト上に公表していますので、参考にされると良いでしょう。
また、太陽光パネルはその性質上、できるだけ速やかに撤去する必要があります。急いで処分したい場合に便利なのが不用品回収業者です。
不用品回収業者に依頼した場合は、太陽光パネルのほか、パワーコンディショナー、接続箱、集電箱、分電盤、蓄電器等のほか、配線や架台など、すべてをまとめて回収処分することができますので、もしもの時に備えて選択肢として覚えておいてください。
【ポイント】
・個人で処分するときは細心の注意が必要
・太陽光発電専門の処分業者は公表されている
・急いで撤去したい時には不用品回収業者が便利
太陽光パネルの廃棄処分費用
不要になった太陽光パネルの撤去や廃棄にはどのように行われ、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
解体工事会社や、リフォーム会社、建築会社などの業者に太陽光パネルの処分を依頼すると、「撤去費」「運搬費」「廃棄処分費」という3つの費用がかかります。
撤去した太陽光発電設備は部材ごとに解体され、一部はリユース、リサイクルされ、廃材は種類ごとに適切な処分所へ運ばれて適切に処分されます。
一般住宅ではほぼ屋根に設置されているため、撤去に必要な足場を組む必要もあり、「足場代」も必要になります。
一般的な住宅でおよそ撤去に10万円、運搬と廃棄に5万円、合計15万円ほどが相場のようです。足場代や屋根が壊れている場合にはその修復費などがプラスされるなど、状況によって変わりますが、それらも合わせて20万円程度見込んでおけば良いようです。
実際には数社見積を取られると思いますが、見積もりは合計額だけではなく、それぞれの費用詳細を比較して下さい。
「撤去費」が安い会社、「運搬費」が安い会社など、それぞれに得意分野があるはずです。
撤去は電気工事士が行わなくてはいけないため、自社に有資格者を抱えていると「撤去費」が安く設定されていることがあります。
合計額が高いなど条件に納得がいかない場合は、例えば撤去だけを依頼し、運搬は別の業者に依頼するということも可能ですので、相談して交渉してみましょう。
【ポイント】
・処分費用相場は15万~20万円くらい
・見積もりは合計額だけではなく費用詳細を比較
・撤去だけを依頼することも可能
不要になった太陽光パネルは買取可能
不具合や故障などがあった場合や、建て替えなどのタイミングで手放そうと考える方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、全て壊れているわけでなければ、廃棄してしまうのはコスト的にも環境への負荷を考えても非常にもったいないことです。
既に太陽光発電を導入されている方は、使えるパネルや部品は安く譲ってほしいと考えていることもありますので、太陽光発電専門の買取業者に買取してもらったり、個人でフリマアプリやオークションなどで売買することを考えても良いかもしれません。
前述した通り、太陽光パネルの取り扱いには十分注意する必要があり、有資格者に撤去を依頼することが基本ですが、撤去後の太陽光パネルのリユース・リサイクルは今後も活発に行われることが予想されます。
現状ではまだ一般に太陽光電力発電が普及していないため、買取を行う専門業者もそれほど多くはありませんが、使えるものを処分する場合は、まず最初に買取業者やフリマアプリなどで購入希望者がいるか反応を見てみるのがおすすめです。
一方、壊れて作動不能の太陽光パネルの場合は、一般ごみとして自治体で回収してもらえないため、専門業者か不用品回収業者に回収依頼することになります。
不用品回収業者の場合は取扱品目が多く、使えるものは買取を行うこともありますので、この場合も買取可能か問合せしてみることをおすすめします。
【ポイント】
・撤去後は専門業者に買取してもらうことも個人で売買も可能
・不用品回収業者が買取することもある
回収・運搬・廃棄は「不用品回収ルート」にお任せください!
太陽光パネルの撤去後に不用品回収業者で処分を考えられるならば、ぜひ不用品をどこよりも安く回収する業界最安値宣言をしている「不用品回収ルート」を検討してみて下さい。不要になった太陽光パネルの「回収」「運搬」「廃棄」まで全て承ります。
「不用品回収ルート」は古物商許可を得て買取・回収を行っている創業17年の会社です。年間の回収実績は20,000件あり、お客様満足度が97.5%という高い評価を得ている安心の会社です。
また、買取サービスも行っているので、不用品の処分と同時に買取査定も行えますので、太陽光パネルの状態によっては買取も可能です。
また、明瞭会計で追加料金など煩わしいシステムがなく、対応エリアも関東、近畿、四国、九州までと幅広いので、他にも不用品をまとめて処分したいと考えている方には最適です。
無料見積は電話、メール、LINEで24時間365日受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。